*クラシック*音楽生活@イギリス

主にイギリスで行ったクラシック音楽会の記録。感想付きは2012年1月~。

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Prom 29: 英国ナショナル・ユース・オーケストラ/V.ペトレンコ - メシアン: トゥーランガリラ交響曲 他


Saturday 4 August, 2012 7.30pm @Royal Albert Hall

Prom 29: National Youth Orchestra of Great Britain

Varèse: Tuning Up
Nico Muhly: Gait (BBC Commission, London Premiere)
Messiaen: Turangalîla Symphony
Anna Meredith: HandsFree

Cynthia Millar (ondes martenot)
Joanna MacGregor (piano)
National Youth Orchestra of Great Britain
Vasily Petrenko (conductor)


ヴァシリーはこのユースオケのプリンシパルコンダクターですが、同オケを振るのは去年4月のマーラー10番以来だと思います。今回はトゥーランガリラ交響曲。1年ほど前から楽しみにしていました。何しろこのオケ大所帯。この前のシモンボリバルSOじゃないけど、1st vlnが20人(10デスク)、私の席の近くにいたTb数えたら8人もいました。全部で160人くらいいるらしい。

正直、前半はいらないからトゥーランガリラだけ聴ければ、と思ってました(失礼)。最初、チューニングが始まったかと思うと、なぜかリーダーが指揮台の上でソロを弾き始め、おいおい、演出かい、早くチューニングしろよ、と思ってたら、そういう曲だったのですね。遅れてくる人あり、席順争いあり。ブラスのファンファーレとストリングスのかっこいい旋律の間にティンパニやトランペットの練習っぽいランダムに聴こえる音。間にオーボエのA音が入ってもそのピッチが下がっていったり、ダイナミクスつきのA音のロングトーンのユニゾンとか。その間に短い旋律が次々と演奏され。そしてそのうちヴァシリーがプレイヤーと話をしながら登場(演技です)。プレイヤーがまだがやがやなってるので、ヴァシリーが大声で"Sit Down!"と叫ぶオチ。最後はA音のロングトーンに乗せ、ヴァシリーの指揮でストールとアリーナの聴衆たちはAの音を歌わせされ(^▽^)。聴衆にはかなりうけていました。曲だと思ってなかった私はひどく面食らってしまいました。「カーネギーホール」というロマンティック・コメディ映画のために書かれた曲とのことです。

ヴァシリーは今日はいつもにも増して髪を立て(下の写真参照)、若者と一緒にいても年齢がわからないくらい。やっぱ若いです。

次の曲Gaitはアメリカの若い作曲家の作品。St John's Woodで早朝に見た、馬に乗って通りすぎる軍隊から着想を得て書かれた曲らしいです。ハープの美しい旋律で始まる曲で、ギャロップ風のリズムと馬の足音のようなパーカッション(テンプルブロックなど?)が特徴的。二度のインターバルのストリングスのロングトーンは、湖にかかった霧のようで、それに乗って登場する木管の旋律は時折さーっと光が射す水彩画のよう。そのカラーは透明で、時にすーっと浮かび上がる旋律。全体のバランスも良かった。

休憩時間に準備中のパーカス群&ピアノとオンドマルトノ

休憩中は、ステージ上ではずっとオンドマルトノの準備をしてたので見ていましたが、なかなか準備に時間がかかってました。指揮台の前客席側にピアノとオンドマルトノ向かいあわせ。今日のピアニスト、ジョアン・マクレガーはバッハから現代曲までレパートリー幅広いし作曲もしてます。私は彼女のピアノ聴くのは初めてでしたが、予想通りクリエイティブ、音はきらきらとした高音で、何より音がでかい。ダイナミックな演奏でした。まさにこの曲にふさわしいソリストだなと思いました。私は今回クワイヤ席で、ピアノの音はよく聴こえたのですが、残念ながらオンドマルトノの音はよく聴こえませんでした。でもBBC Radio3のオンデマンドで聴いたらオンドマルトノの音もよく聴こえてました。もしかしたら前から聴いたらまた違う印象を受けたのかもしれません。

ヴァシリーの指揮はいつも通り、大きな身振りも無いのに卓越したコントロール力で、特に今日はクワイヤ席だったので彼の指揮ばかり見てましたよ(^▽^)。特に左手。特にこの曲(私には)複雑なので、右手で拍を取りながらの左手の指示がすごい。だから私は左手ばかり見てましたが。ソフトなところは思い切りソフトに、そして全体を通して何度も出てくる彫像のテーマのダイナミックなこと。6楽章の「愛のまどろみの庭」、ほんとに美しくて思わず私もまどろんでしまいそうになってしまいましたが(^_^)。(そういう人も結構いたんじゃないでしょうか。。)5楽章は思いのほかテンポ遅め、ああ、そういえばそうだったこの人は。普通なら勢いに乗ってがんがん行きそうなところをあえて抑えた表現なんだった。なので却ってこの楽章の宇宙的な壮大さがよく出てました(実演で聴くと、5楽章ってこんな複雑だったんだなと初めて知りました。いろんなパートが同時に違うことをやってるという)。そして最後まで貯めていたエネルギーをフィナーレで爆発。それにしてもこの長い曲よく演奏するよ。ヴァシリーもオケも。まあ若さがあるからいいのか。長い長いこの曲も(実際今日はとても長くて、90分近くあったかも?)、そんな風に感じず様々なカラーで集中して聴けました。

私の期待(予測)では、ヴァシリーはいつものようにぴしっと、しかもダイナミックに纏めてくれると期待していましたが、なんせ子供のオケ、18歳までのオケですが若い子は14歳くらいの子もいて、そもそも若者のオケにこの曲が理解できるのか(失礼)なんて思ってましたが(実際、NYOでは2001年にもこの曲を演奏してて、そのビデオを観ると、あれ?という感じで。。)、勿論ヴァシリーからのインストラクションもあったのでしょうが、おそらくプレイヤーは自分自身の理解できる範囲でこの曲の持つテーマを理解した上での演奏だったのでしょう。非常によく纏まっていたし、Tpやクラのソロなど色彩感あってよかった。

総括すると、非常にメリハリのある引き締まった演奏。この曲CDで聴くと非常に幻想的なんですが(私は実演に接したのはこれが初めてです)、そんな感じはせずとても現実的というか堅実というか、地に足のついた演奏。それはもしかしたら、その幻想的な雰囲気を出してるオンドマルトノが今日は私にはよく聴こえなかったせいもあるかもしれません。軽快さとダイナミクスと美しさと、すべてを兼ね備えた演奏でした。ピアノも非常に印象的で素晴らしかった。まぁ、前から聴いたらもっとこの曲の持つ壮大さが感じられたのかもしれません。何しろ今日の席からは、オンドマルトノがよく聴こえなかったのがちょっと残念。。

Vasily.jpg
今日は髪が立っている

最後の「ハンズフリー」はボディパーカッションの曲ですが、これ、1月にも聴きました(観ました)。正直、1月のバービカンでのコンサートでは、印象的なウォルトンの後で間髪入れず、拍手から始まるこの曲が来ちゃったので、あーあ、になってしまいましたが、今回もそうでした。。プログラム見たとき、またやるんかいな、そんなに人気だったのかい、という感じで。また今回も、トゥーランガリラの余韻でコンサートを締めくくりたかったのに、あらら、私にはこの曲ちょっと余計な感じ。。しかもトゥーランガリラ終わった時点で10時だったので、そこで帰ろうかとも思いましたが、「ハンズフリー」そのまま始まってしまったし、"Excuse me"言いながら隣の席のおっきい人たちを立たせて通るのもなぁ(足元が非常に狭いので、脱出するためには座ってる人に立ってもらわなければ前を通れない)、と思ってそのまま観てました。聴衆にはえらく受けてましたが、私はさすが2回目だし、何だかなぁ。。全部終わったら10.30近く。ひー、またオリンピック観戦帰りの人たちで混雑したパディントン駅からの電車に乗って、帰宅したら12時でした。。

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Comment

:( ・`ω・): ブルブル 

( ・`ω・) トゥーランガリラにヴァレーズまで…!


いいすなあ盛り沢山演奏会。

18歳定年オケのメシアンてどんな演奏をするのか、妄想させられました~

( ゜Д゜)。oO( 妄想  )
  • posted by アンジロー 
  • URL 
  • 2012.08/05 22:57分 
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ヴァレーズの「チューニング・アップ」、自分も前に聴いたことがあるなあと思ったら、やっぱりナショナルユースオケでした。私が前にLSOでトゥーランガリラを聴いた時もソリストはミラー&マグレガーのコンビでしたので、イギリスではこの二人が定番なのかも。オンドマルトノは、正面から聴いても、CDで聴いても、「ちゅい〜〜ん」というおおよそ音楽を奏でているとは思えないサウンドイフェクトのみで、「よく聴こえた」という実感は正直持てないですねえ。
  • posted by Miklos 
  • URL 
  • 2012.08/05 23:53分 
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アンジローさん 

妄想~。BBC Radio3のオンデマンドで聴けます(リンクは本文中にあります)。若さゆえパワーあふれる演奏でした。やっぱり若ペトレンコ。
  • posted by felizsg 
  • URL 
  • 2012.08/06 09:49分 
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Miklosさん 

Miklosさんの2010年のブログエントリー読みました。その頃はヴァレーズ特集もやってたんですね。たくさん行ってらっしゃったMiklosさんもすごいです。
ヴァレーズでは、皆の演技力もたいしたもんでした。
  • posted by felizsg 
  • URL 
  • 2012.08/06 09:58分 
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プロフィール

feliz2

Author:feliz2
Concert-goer in SE England.
2013年8月ロンドン近くのBerkshireからLancashireに引っ越しました。→2016年秋からなぜかまたBerksに。

イギリスでのクラシックコンサートの記録です。クラシック音楽が生きる糧。元学生オケのヴィオラ弾き(+ヴァイオリン)。
(コンサートの感想はあくまでも私の主観によるものです。)

*このブログに掲載されている文章・写真を無断で使用することを禁じます。

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