*クラシック*音楽生活@イギリス

主にイギリスで行ったクラシック音楽会の記録。感想付きは2012年1月~。

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ジャン=エフラム・バヴゼ - ドビュッシー @チェルトナム音楽祭(その2) - パート1

Friday, 6 July, 2012 - 10:00 @Pittville Pump Room

Cheltenham Music Festival - 'The Essential Debussy'

Part One:
Ballade (Slave)
Nocturne
Danse, Tarentelle Styrienne
Images oubliées
Clair de lune (from Suite Bergamasque)
L'isle joyeuse

Part Two:
Images, Book 1
From Préludes, Book 1:
- La fille aux cheveux de lin
- La cathedrale engloutie
- Ce qu'à vu le vent d'ouest
Etudes:
Étude 1 pour les cinq doigts d'après Monsieur Czerny
Étude 2 pour les tierces
Étude 4 pour les sixtes
Étude 7 pour les degrés chromatiques
Étude 10 pour les sonorités opposées
Étude 11 pour les arpèges composés
Étude 5 pour les octaves

Part Three:
Préludes, Book 2

Jean-Efflam Bavouzet (Piano)


このリサイタルは3部に分かれてて、パート1とパート2の間に15分の休憩、パート2が終わると30分の休憩で、その間に、チケットに付いているクロワッサンヴァウチャーと引き換えで、クロワッサンと飲み物が出るということでした(13.30までの長距離マラソンなので)。休憩も入れて全部で3時間半の予定です。

何と言ってもバヴゼはドビュッシーの全集が大ヒットして一躍有名になったピアニストなので、ドビュッシーマラソンということでとても楽しみにしてました。また、5月のランチタイムで聴いたドビュッシーの新鮮だったこと。そしてドビュッシーと言えば、バヴゼは6月の来日公演でN響/アシュケナージとバルトーク2番の後、アンコールでアラベスク1番を弾いたのですが(6/16)、それを聴いた方がツィッターで次のようなご感想をお書きになってました(ご本人から許可を得て引用)。

アンコールのドビュッシーのアラベスクが、後年の『海』の「第0楽章」といいますか、もうぜーんぜんピアノ小品を弾いてまーす、みたいな感じがしなくて。後の『海』という傑作を予感してね、というバヴゼ教授の講義を聴いてるみたいでした。


バヴゼのドビュッシーのすべてを物語ってると思います。このリスナーの方のご感想も素晴らしいのですが、そこまで語ってしまうバヴゼの演奏もすごいです。私の中ではドビュッシーの解釈といえばバヴゼ、みたいな回路が出来上がってたりして(バヴゼは実際に大学で教えてるようなのでバヴゼ教授ではあるんですが)。しかしドビュッシーばっかり3時間、もしかしてバヴゼより聴く側の体力、持久力も試されるかもなぁ、なんて考えたり。

プログラムはほぼ作曲された順に構成されています。この中で最後に作曲されたのはエチュードなので、正確にはそうではありませんが。映像1は「海」と同じ年に書かれたようで、大まかに言うと、パート2以降が「海」以降(中期、後期)という感じでしょうか。メインは前奏曲集2ということですね。

プログラムでは、パート1の「忘れられた映像」は元々「版画」だったのですが(下のように本人からの説明もあり)、「忘れられた映像」に代わってしまったので、その結果、私が5月終わりに聴いたランチタイムコンサートでのドビュッシーを全部もう一度聴くことになりました。それに、この中で私がバヴゼの録音を持ってる曲も結構あり、事前に演奏を(録音ですが)かなり聴いてしまってる状態でしたが。。
--
さて、本題です(^▽^)。

<パート1>
舞曲(スティリー風タランテラ)が終わったところで、バヴゼからプログラム変更についての説明がありました。プログラムに載ってる「版画」ではなく、あまり知られてない「忘れられた映像」を演奏するとのこと。ドビュッシーの死後発見されあまり知られてない曲ということで、ここでバヴゼ教授のレクチャーが入りました(笑)。「忘れられた映像」の2曲目サラバンドは「ピアノのために」のサラバンドの1st versionとのこと。で、1st versionと2nd version、どういうふうに違うのか、部分を弾いて説明してくれましたが、それがまるで、ABRSMのグレード試験のオーラルテスト(*)のようで、1st version is this.. and 2nd version is .. と。コードの音がわずかに異なったりして、よく聴いてないと違いがわからない。

(*:ABRSMのグレード試験のオーラルテスト(聴力試験)には'spot the difference'的な問題があり、試験官が弾く2つのフレーズを聴いて、その2つのどこが違うのか(リズム、音の長さや高さなど)を答えます。)

それが、2番目に説明し弾いてくれた部分では、1st versionと2nd version、「は?どこが違うの?私には違いがわからん??」と思ってたら、

... If you didn't notice the difference, you are perfectly fine, because...
there is no difference!


勿論みんな大爆笑ですよ!で何が違うかと言ったら、2nd versionでは手が交差したりして弾き方が違うのだと!なので、「違いはわからないけど、感じますねー」ということでした(^▽^)。私には大うけで涙が出るほど笑ってしまいました。あと3曲目には、「版画」の「雨の庭」などと同じく、フランスの童謡「もう森へは行かない」のフレーズが登場する、など。それも面白おかしく説明してくれるので(いつまでも喋り続けるし)、聴衆はすっかり引き込まれてました。ま、知られていない曲と言っても、私はそんなわけでランチタイムコンサートで聴き、その後何度も聴いた曲なので落ち着いて聴けます。でもー、実のところ「塔」など聴くのを楽しみにしてたのですが。。

前後しますが、このパート1の中でも私の好きな曲は「ノクターン」です。録音を聴いてるだけでふーっと引き込まれ、涙が出そうなほど美しい曲ですが、ライヴで実際に聴くと、あぁ、やっぱりこの音を聴くためにやって来たのだよな。と、私の求めていた音が出てくる。艶のある音、そしてものすごく繊細。そして「月の光」。冒頭からの弱音の美しいこと。透明な音。心に染み込んで行くのがわかる。バヴゼ、ドビュッシーでも全体的に表現はかなり大胆だと思うし、いつも書いてるようにかなりでかい音も出ますが(fでもffかと思うような音出してるかと思えば、さらにそれを上回る音量も出る。pも然り)、この繊細に歌う美音もたまらない魅力。そして、本当に繊細な音の立ち上がりもそうですが、曲の終わり、音が消える瞬間までの響き。

最後の「喜びの島」ですが、これランチタイムで聴いた時は、今まで聴いてきた曲の印象とあまりに違うので、まずそのことに圧倒されましたが、今日はこの曲の美しさを改めて感じることのできる演奏でした。水面に光が反射するようなきらきらした軽い音と、そして、あの時のように、fでがんっと出てくる力強いコード。この差がかなり快感で、そして何よりテンポ速い!冒頭からかなり飛ばす。バヴゼの録音、他のピアニストたちの演奏と比べてどうして1分も短いのか不思議でしたが、やっぱりこのテンポだとそうなるかも。それでも急いでる感じもせず、勢いあるし、そんな美音で、深くしかも美しい音楽。何色もある音色とダイナミクスの幅。やっぱこの人の弾く「喜びの島」は格別だわー(^▽^)。

と、かなり楽しいレクチャーもあったけど、それよりあの美音と繊細さに心奪われすでに呆然、ほーっ、とした状態でパート2へ続く。。

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Comment

( ・`ω・)<違いはありません!(笑い) 

初コメントします~

(* ・`ω・)ノシ

いいないいな

バヴゼレクチャー付きドビュッシーマラソン…

19世紀から順番に弾いてるんですね~ (夜想曲のピアノ版!?も)

日本でも紀尾井か王子でやってくれないかしら… クロワッサンつきで…(日曜出勤中… グゥ~)
  • posted by @angerot 
  • URL 
  • 2012.07/08 00:04分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

angerotさん、コメントありがとうございます。日曜出勤お疲れさまです。こんな感じで引用させていただきました(^o^)。ほんと、バヴゼ教授の「違いはありません!」には会場大爆笑でした。北京ではよくリサイタルやってるようですね。日本でも実現しますよ~に!(このノクターンはあの夜想曲ではなく1892年作曲の別のピアノ曲のようです)
  • posted by feliz 
  • URL 
  • 2012.07/08 08:46分 
  • [Edit]
  • [Res]

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プロフィール

feliz2

Author:feliz2
Concert-goer in SE England.
2013年8月ロンドン近くのBerkshireからLancashireに引っ越しました。→2016年秋からなぜかまたBerksに。

イギリスでのクラシックコンサートの記録です。クラシック音楽が生きる糧。元学生オケのヴィオラ弾き(+ヴァイオリン)。
(コンサートの感想はあくまでも私の主観によるものです。)

*このブログに掲載されている文章・写真を無断で使用することを禁じます。

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