*クラシック*音楽生活@イギリス

主にイギリスで行ったクラシック音楽会の記録。感想付きは2012年1月~。

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Belcea Quartet - Beethoven SQs Op.18-5, Op.130 with Grosse Fuge Op.133

Wed 13 June 2012 - 7:30pm @Wigmore Hall

Beethoven
String Quartet in A Op. 18 No. 5
String Quartet in Bb Op. 130 with Grosse Fuge Op. 133

Belcea Quartet


Belcea QのベトベンSQサイクルの(今年ロンドンでの)最終回です。前日の電車事件でかなり参りましたが、最終回なので絶対に行かねば!ということで行ってきました。ふー。今年ウィグモアでのベトベンサイクルは計6回あり、私はそのうち3回は行ったみたいです。Belcea Qはいつも人気で、前方の席でもいつも端になってしまうのですが、今回は珍しく席は中央のブロックでした。

いつも書いてるように、このQはダイナミックレンジ(音量)と表現がすごいです。しかもベトベンサイクルを聴いてきてるせいか、このQのベトベンに慣れてしまって、他のQのベトベンを聴いてもなんだか物足りない、になってきてしまいました。。最初の5番、モーツァルトのA majorのK.464に習って書かれた曲のようですが、冒頭は、え?こんな出だしだっけ?という強さの1st vlnのコード。もっと軽やかで楽しい始まりじゃなかったっけ?びっくりしたのはそこだけで、音楽が進むと、1つ1つのフレーズに込められたヴァラエティあふれる表現。メヌエットは軽くて美しいし、3楽章のヴァリエーションは、ベトベン後期SQの緩除楽章を思わせる繊細な美しさ。ふーっとその響きに吸い込まれていく。途中出てくる1st vlnの旋律はほとんど音階とアルペジオだけで作られているような音楽で、vlnコンチェルトを思い起こしますが、アルペジオと音階だけでどうしてこんな美しい音楽が出来上がるのかなぁ。あと、2度のインバーヴァルの2音の繰り返しでのvlnの伴奏、川の流れのような美しさが印象的。

さて、後半は大フーガ付き。op.130はこの形で演奏されるのが多いように思います。何しろこのQの演奏する後期SQは圧倒的で壮大なので、今日も楽しみにしていました。演奏はそれはもう予想以上。特に大フーガが圧巻で、4人で演奏してるとは思えないような音量と表現と音の広がり。圧倒的で壮大な音楽。この曲、それぞれの楽器が違うことをやっている、ほんとに合わせるのが難しい曲だと思いますが(勿論それだけではなく、内省的で深い音楽だと思います)、私はすっかり引き込まれちょっと涙も。完全に耳の聴こえなくなったベトベンは、どんなことを考えてこの曲を作ってたのか、と思うと、もしかして生活のためだったのかもしれないけど、やはりそこにあるのは生きることへの希望と執着だったんだろうなと思いました。そんなことを思わせる圧倒的な音楽。1日たった今でも脳内再生できる壮大な大フーガで、まさに熱演。

その前のop.130のことを書くと、2楽章、こんなに速いのは聴いたことがない、というくらいのテンポで、この楽章こんなに短かったっけ?(確かに短いけど)というほどあっという間に終わってしまった。しかも全く乱れずのアンサンブル。そしてカヴァティーナ、ものすごく美しくてふわーっと上の方に登って行く音楽。その前の楽章では、実はちょっとやりすぎ?と思うほどの極端な静動の表現で、そこまでしなくても、と思ってましたが、カヴァティーナと大フーガがそんなだったのでそんなこともすっかり忘れました(^▽^)。私がすごく近くで聴いてたせいかもしれませんが。

いろんなQがベトベンサイクルをやってますが、正直、このQにかなうものはないのではないかと思うほどの解釈と表現。なんせダイナミクスの幅がすごいので、繊細さも壮大さも全部表現できる。2nd vlnがちょっと弱いかな(音量というより技術その他)とも思いますが、カルテットは4人で作るものなので、個人のことを言うのも重箱の隅をつつくようなもんですが。。1st vlnのコリーナは勿論抜群に巧いですが、ヴィオラとチェロがしっかりしているので、このQを支えているのはもしかしてこの2人かもしれないなと思ったり。

大フーガが終わると大拍手とブラヴォーの嵐で、アンコールはラズモフスキー2番からアダージョでした。これも素晴らしいアダージョで、今回のベトベンサイクルを締めくくるにふさわしいアンコールでした。

このベトベンサイクルを振り返ると、op132や127の緩徐楽章に涙したり、Belcea Qの表現力に驚いたり、何よりベトベンSQの持つ深さと強さと美しさを再認識できたことにほんと感謝です。

このコンサートはBBC Radio3でも中継され、6/19までここで聴けます。

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Author:feliz2
Concert-goer in SE England.
2013年8月ロンドン近くのBerkshireからLancashireに引っ越しました。→2016年秋からなぜかまたBerksに。

イギリスでのクラシックコンサートの記録です。クラシック音楽が生きる糧。元学生オケのヴィオラ弾き(+ヴァイオリン)。
(コンサートの感想はあくまでも私の主観によるものです。)

*このブログに掲載されている文章・写真を無断で使用することを禁じます。

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