*クラシック*音楽生活@イギリス

主にイギリスで行ったクラシック音楽会の記録。感想付きは2012年1月~。

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ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック/ペトレンコ/トルプチェスキ - ラフマニノフ 歌劇「アレコ」より、チャイコフスキー ピアノ協奏曲1番、ショスタコーヴィチ 交響曲10番

Thursday 28 June, 2012 7:30pm @Liverpool Philharmonic Hall

'White Nights'

Rachmaninov: Three pieces from Aleko:
Dance of the Women, Intermezzo and Dance of the Men
Tchaikovsky: Piano Concerto No.1
Shostakovich: Symphony No.10

Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
Vasily Petrenko conductor
Simon Trpčeski piano

Liverpool Philharmonic
フィルハーモニックホール。一見普通のビルみたいでぱっとしない外見(-_-;)


このコンサートは、元々RLPOの年間スケジュールには入ってませんでした。ある日ホールから来たメールで、Summer Popsという、毎年ホールでやってるシリーズのチケットが発売になったというので見たら、何とショスタコ10番をやるというではありませんか!(RLPOがビートルズやクィーンなどのポップスや映画音楽をやるコンサートのシリーズですが、なぜかこのコンサートもその中に入ってた。)私にとっての今シーズン終わりの目玉のコンサートで、とても楽しみしていました。

このホールでRLPOを聴くのは2度目です。前回は1月にショスタコーヴィチ7番でした。リヴァプールはうちからかなり遠くて、電車1回乗り換えで3時間半。しかも、自宅から駅までは遠くてバスを使うと1時間近くかかるので、合計で4.30時間ほど(-_-;)。当日は北部で起こった洪水の影響もあってダイヤは大幅に乱れ。私が通ったルートはたいした影響はなかったですが、北部の方は大変だったようです。

フィルハーモニックホールでの今年最後のRLPO/ペトレンコのコンサートです。ヴァシリーのご両親と息子さんもいらしてました。私が見た時はチケットはかなりあったのですが、今日はほぼ満席でホールには何だかすごい数の人。席は前の方を取ったと記憶してましたが、何だかほんとにステージのまん前で、ヴァシリーの真後ろ。ステージまで2mくらいで、ヴァシリーから距離にして5mくらいしか離れていない、ヴァシリーに一番近い席です(^▽^)。普通にしてるとヴァシリーの足元しか見えないので、ずっと彼の指揮を見上げてたらさすがに首が痛くなった(-_-;)。ほんと、何しに行ってるのやら。。
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オケは14型でチェロが4デスク。「アレコ」は曲順が変更になったと、最初にヴァシリーからアナウンスがありました(当初はインテルメッツォ、Women's Danceの順でした。私の持ってるCDでもインテルメッツォが先で、通常はその順で演奏されるからだと思います)。曲はシンフォニックダンスと似てて、2月のフィルハーモニアのシンフォニックダンスの指揮と同じ!と思って見ていました。左手を使った滑らかな指揮で、踊りながら。美しい歌い。コーラングレも魅力的な音色。Women's Dance、Men's Danceはストリングスのポルタメントやグリッサンドもよく効かせた非常に官能的な演奏でした。フィルハーモニアの時の非常に印象的だったラフマニノフも思い出し、しかも今回、この指揮を見る(聴く)ために4時間もかけて来たんだなぁ、という変な感情も入ってしまい、その繊細で詳細でしかも官能的な美しい音楽に1曲目から涙が。まずい。

次はおなじみのチャイコン1番です。そういえば今日は録音してるようでした。ラジオでの中継もないので何かな?と思ってたのですが、後で知ったのですがこのコンチェルトのCDのための録音のようです。多分、これと来年やる2番を一緒にしたCDを作るのかな?と想像します。トルプチェスキはヴァシリーとよく共演しており、前回は3月にプレストンでサンサーンスを聴きました。

今回もその時の印象と同じく、オケと一緒に楽しそうに弾いてるのが印象的でした。そしてこの曲、1楽章は華やかですが、2楽章と3楽章はダンスなのだよな、と改めて思いました。2楽章のフォークソングとワルツ、3楽章のコサックダンス。サンサーンスの時も思ったのですが、トルプチェスキは、こうしたダンスがすごく得意らしく、今回のチャイコフスキーでもそれを非常に感じました。1楽章のカデンツも独創的。トルプチェスキのピアノは繊細で美しいという感じではなく、もしかして技術的に巧いピアニストは他にもいるかもしれないけど、独特のリズム感と音感、そして抜群の音楽的センス。それに何よりヴァシリーとオケとのコミュニケーションが抜群。そんなことで、RLPOはロンドンの有力なオケに比べると(失礼ながら)レベルはそれほどではないかもしれないけど、みんなで一緒に音楽を作っているんだという空気がものすごく感じられました。そして私は、このコンチェルトを聴きながら、ヴァシリーと、このオケと、そしてトルプチェスキと、何かの偶然かもしれないけど、こんな暖かい音楽を作る人たちに私は出会ったんだなぁ。何より、ヴァシリーに惹かれなければこんなところまでわざわざ来てこんな音楽を聴くこともなかっただろう、と、何だか感慨深くなってしまいまた涙が。。演奏の内容がどうというより、そんなみんなで作り上げている音楽にものすごいパワーを感じ圧倒された。ま、これも、私は今日は遠いところから来たので、という思いもあったのかもしれない。もしこれロンドンで聴いたらもっと冷静に聴けたのだろうけど、まるで、初めてオケの生演奏を聴いて感動している人のように心打たれていた。聴衆もとても気に入ったらしく、スタンディングオヴェーションの人もかなりいました。

アンコールでは、トルプチェスキはソロではなく、マケドニアの作曲家の曲をオケと一緒に演奏してくれました。演奏前にトルプチェスキから、この曲を今日いらしてるヴァシリーのご両親に捧げます、とのアナウンスがありました。曲はジャズっぽく楽しい曲で、これまた、オケと一緒ということで、私の持ってたそんな感情とぴったり。トルプチェスキはやっぱりヴァシリーとこのオケと相性がいい。

Trpceski & Vasily


前半ですでに放心状態でしたが、休憩後はメインのショスタコ10番です。そうです、これを聴くためにわざわざ4時間もかけて来たのですよ。。といっても、この曲はすでにCD化されてるし、そのCDは何度も聴いてるのですが、それでもライヴで聴きたかったのです。ショスタコの中では特に好きな曲の1つです。今日の演奏、テンポ設定やダイナミクスの幅や、2楽章冒頭のストリングスの、ガッ、ガッというものすごく鋭い八分音符もCDと同じでしたが、受けたインパクトはCD以上でした。1楽章特に好きで、荒涼としたロシアの大地を思わせるあのショスタコービッチ独特の和音が美しく、それは私が持ってる10番の複数のCD(カラヤン、ハイティンク、バルシャイ、ネーメ)でも同じなのですが、特にヴァシリーのはものすごい表現力と音色の幅。冒頭のチェロバスの音にすでに見えるものすごく詳細な音作り。ものすごい弱音の緊張。そしてやがて入ってくるヴィオラとVlnもある部分までは徹底的に抑えた弱音。その弱音の中での驚くような幅広い表現。本当にそーっと入ってくるクラ、その後のHr、TpのユニゾンやTbのコラール、どんなにフォルテになっても荒涼としたクリーンな音。ものすごく詳細で洗練されてて、ぞくぞくするほどのダイナミクスと音色と表現の幅。深い深い、それでいて研ぎ澄まされた音の世界を感じてすでに心ここにあらず。1楽章のある箇所の八分音符での旋律、ストリングスはオール・ダウンボウで弾いてたので驚きました。

2楽章はこれまた上に書いたように鋭いストリングスの八分音符で始まり、反面乗っかってくる木管の滑らかな旋律。チェロが4デスクしかいないので、実はチャイコフスキーでは、ちょっとチェロ弱いなと思ってたのですが、これがショスタコービッチでは鳴ること!私は特に低音が出る演奏が好きなので嬉しかったです。vlnの旋律でいつもの徹底した弱音。ヴァイオリンはグリッサンドも思い切り効かせ、スルGでは楽器をがりがり鳴らす。3楽章も爽快だしダイナミクスも幅広いし、歌いも美しいし、vln四分音符ダウンボウの旋律のベースになるチェロバスの八分音符ががんがん出てるし。

4楽章の最後の方、全体的に爆音でしたが、特に最後の方のDSCHのホルン爆音。ホルン、チューバ、トロンボーンは全体を通して素晴らしかったです。オーボエは不思議な音だと思ってましたが(3月の「幻想」では、うーん?と思っていた)、独特の音でいろんな音色。前回「レニングラード」で素晴らしかったファゴットもすごく魅力的な音と表現。

力強いのだけど何てクリアでリーンで、詳細で繊細、それに幅広いダイナミクスと表現、そして何よりほんとに美しいショスターヴィチ。すべての音に妥協がない。こうしてあのCDは出来上がったんだなというのがよくわかりました。またこの曲は8月にプロムスでも聴けるので楽しみです。来シーズンは10番をアメリカのオケともやるようですね。
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さて、事前にホールから、今日はサイン会があると知らされていたのでCDを持参していました。多分新しい2&15番のCDのプロモーションも兼ねてなんでしょう。私は、気に入りの10番のCDと、新しいCDと、どっちにサインしてもらおうかなと思ったのですが、新しいCDはまだよく聴いてないので(-_-;)、10番の方にしてもらうことにしました。こういう時には何を言っていいのかわからず非常に緊張しますが、素直に、演奏素晴らしかったです、と言ったらちょっとしたメッセージを入れてくれました(前回もサインをしてもらったのですが、その時はサインだけだった)。少しは伝わったのかなと思います。質問もあったのですが(1月に演奏した7番のCDは(いつ)出るのかとか、今日のは録音してたみたいだけど放送でもあるの?とか)、すっかりそんなことも忘れており、遠くから来ました、とか、プロムス聴きに行きます、とかいう話をしました。ショスタコーヴィチ好きです、と言ったら、メシアンも聴いてみてね、と言われたので、NYOとのですね、勿論行きますよーと答えました(^▽^)。トゥーランガリラの指揮を楽しみにしてるようでした。

何より今日感じたのは(前回ここに来た時もそうだったけど)、会場はロンドンとは違う雰囲気。ローカルにオケがあるというのはやっぱりいいなーと思います。聴衆も暖かいし、ヴァシリーもこのオケとリヴァプールにすっかりなじんでいる感じだし、これだけローカルの熱いサポートを受けているのは素晴らしいこと。そしてこのオケというのが、公開リハやらレクチャーやら、いろんな企画を設けているのでそれがまた魅力的。そして毎回ではないかもしれないけど度々サイン会もしてお客さんと交流。やはりロンドンのオケにはない特別な雰囲気も魅力的なオケです。

来シーズンのヴァシリー/RLPOのショスタコはまた10番と、あとは4番と14番が予定されてます。これもCD化するのかなと思います。7番はこの前の演奏でCDが出るかもしれないなーと思うので、残るは13番ですか。

...と、いつもにも増してえらく長くなってしまいました。ヴァシリーのことについてはこんな風にいくらでも書けますが、これまたいつものように余計な話も多いですわ(-_-;)。

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プロフィール

feliz2

Author:feliz2
Concert-goer in SE England.
2013年8月ロンドン近くのBerkshireからLancashireに引っ越しました。→2016年秋からなぜかまたBerksに。

イギリスでのクラシックコンサートの記録です。クラシック音楽が生きる糧。元学生オケのヴィオラ弾き(+ヴァイオリン)。
(コンサートの感想はあくまでも私の主観によるものです。)

*このブログに掲載されている文章・写真を無断で使用することを禁じます。

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