*クラシック*音楽生活@イギリス→長野

クラシック音楽会の記録。感想付きは2012年1月~。

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Jerusalem Quartet - Beethoven, Kopytman, Brahms

Sat 19 May 2012 - 7:30pm @Wigmore Hall

Beethoven
String Quartet in G Op.18 No.2
Mark Kopytman
String Quartet No.4
Brahms
String Quartet in Bb Op.67

Jerusalem Quartet


ホールに早めに着いたら、入り口外に数人のプロテスターがいました。ホールの人も見張ってて、彼らはバナーを掲げてチラシを配ってただけで静かなもんでしたが、去年のイスラエルフィルのプロムスを思い出していやになりました。以前エルサレムQのウィグモアでのコンサート(2010年)でも同じようなことがあったようだし。でも今回は何事もなくてよかった。これ中断されたら私まじで怒ってたと思います。(後で知ったのですが、レブレヒトさんのブログによると、今月初めのブライトンでのコンサートではプロテスターがコンサート中に叫んでたようです。プログラムは、私も2週間前に別場所で聴いた、メルニコフも参加してのシューマンでした。私の住んでる田舎にまではさすがにプロテスターも来なかったか。(-_-;)そんな緊迫した雰囲気も全くなかったし。)

今日は世間はCLの決勝で盛り上がってました。ま、リヴァポは出ないのであんまり関係ないですが(爆)。ロンドンから帰宅する電車に乗った時点でもまだ決着がついてませんでした。帰宅したらチェルシーが優勝してましたが、大変な試合だったようで。
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エルサレムQは2週間前に聴いたばかりでした。その時は繊細でぴしっと締まった演奏という印象でした。そんな印象で聴いてたベトベンですが、あれ、この前と全く違う、様々な音色とダイナミクス。繊細なベトベンかと思ってたら、まーなんて豊かな音と表現。細い音のところでは小鳥が鳴くように、そしてフォルテでは大地のような豊かな音。チェロがすごくよくて、4楽章の出だしのソロ、はっとする豊かな表現。でもやりすぎない。配置は1stと2nd対向で、中は左からチェロ、ヴィオラ。中の2人は音が大きいし、ベトベンは1st、2ndで一緒に弾く部分も多いのでとても効果的でした。(この前もこの配置だったっけ?やっぱメルニコフの印象が強くてあまり覚えてない-_-;)最近はベトベンと言えばBelcea Qばかり聴いてますが、エルサレムQのベトベンもとても気に入りました。

次の曲はイスラエルの作曲家の作品です。Kopytmanは去年亡くなったそうで、作品はエルサレムQのために書かれたもののようです。イスラエルの作曲家ということで、この前のギル・シャハムが弾いてたイスラエルの作曲家の曲みたいに民俗音楽がベースかと思ったらそうではなく、完全な現代音楽で、初めから不協和音のロングトーン。この不協和音がかなり出てくる曲で、そのロングトーンの中で旋律を各楽器が旋律を演奏したり。その違う楽器での旋律には関連性があり、会話しながら弾いてました。短い9つの楽章から成る短い曲で、各楽章特徴があり、con forzaの楽章が緩楽章の間に入っており、スルGとかハイポジも結構出てくるし、がりがりと楽器も鳴らすし、ベトベンの時よりももっと大きな音も出るし。ベトベンとは違うこのQの持つカラーと表現が楽しめました。リズムも難しそうで、合わせるのも難しそうでしたが、その辺はさすがでした。このQ、アイコンタクトでのコミュニケーションをよく取るのですが(特に中の2人)、男同士で目を合わせて弾くっていうのも見てると妙なのですが、ちゃんとみな指輪はしてました(←何 -_-;)。

ブラームスといえば秋を連想します。交響曲3番の3楽章とか。この曲ライヴで聴くのは初めてです。2番が有名だと思うのですが、私はこの3番はよく知りませんでした。この曲の最初、初めはブラームスっぽくなく明るくてモーツァルトの「狩」みたいですが(それに同じB♭だし。ってこれはプログラムに書いてあった)、曲が進んで音がいっぱいになってくるといかにもブラームス。で秋と言えば栗、栗と言えばモンブラン(^▽^;)。なので頭の中はモンブランでいっぱいになってしまいましたよ。。(勿論、黄色のじゃなくて、生栗を使った茶色のですよ(^_^;)。あーあ何を考えてるんだろ。)でもそれくらい深い音と表現とカラーだったということで。

この曲の3楽章では注目のヴィオラ!ヴィオラのソロで始まるこの楽章ではあとの楽器はミュート付けてるんですが、そのヴィオラが渋くって、大きくて深い音。3人の伴奏もまーなんてゴージャス。いかにもブラームス。そしてこの4人、ほんとによく合ってて出てくる音は豊かで、あの2週間前の印象が吹っ飛びました。繊細さというのはやっぱりそこにあるんだけど、それだけではない、深い味わいでした。やっぱモンブラン(^▽^;)。

(今エルサレムQのサイトを見たら、ヴィオリストの使ってるヴィオラは日本人の方が製作した2009年の楽器のようです。指盤の両側に模様が入っており、オールドの楽器のように見えましたが。。彼は2011年に新しくQに加わったメンバーのようで、その前はベルリンフィルにいたとか。)

今日はその2週間前とはプログラムも違い、このQの持ついろいろな面が楽しめました。まぁあの時は私はメルニコフばかり聴いてたし(-_-;)、違うホールだったしそのせいで聴こえ方が違ったのかもしれません。でもぴしっと合ったアンサンブルという印象はそのままに、その上、抜群のコミュニケーションと音楽的センス、味わいのある音と表現に魅了されました。

アンコールはベトベンSQ op.130の2楽章でした。この楽章楽しいのですが、とてもアンコールにふさわしい曲と演奏で、それにベトベンやってくれて感激でした。今日もかなり疲れてたのですが(ロンドンへの電車の中ではうとうとしてた)、ステージのまん前で4人の作る音と音楽を全身に浴びて、SQ週間の締めくくりにふさわしい幸せな夜でした(^_^)。

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2021年1月に帰国しました。
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Concert-goer in SE England.
2013年8月ロンドン近くのBerkshireからLancashireに引っ越しました。→2016年秋からなぜかまたBerksに。

イギリスでのクラシックコンサートの記録です。
(コンサートの感想はあくまでも私の主観によるものです。)

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