*クラシック*音楽生活@イギリス

主にイギリスで行ったクラシック音楽会の記録。感想付きは2012年1月~。

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Gil Shaham Recital - Schubert, Bach, Sarasate, etc.

Thu 03 May 2012 7:30pm- @Wigmore Hall

Schubert: Violin sonata (Sonatina) in A minor D385
Bach: Sonata No. 3 in C for solo violin BWV1005
Dorman: Sonate für Violine und Klavier No. 3
Milone: In the country of lost things… (World première)
Sarasate: Carmen Fantasy Op. 25

Gil Shaham violin
Akira Eguchi piano


ギル・シャハムは大好きなヴァイオリニストの1人ですが、リサイタルを聴くのは初めてかも?大昔、「ギルと仲間たち」というアンサンブルでのコンサートの中でソロは聴いたことがあるような気がするけどその程度で。とにかくウィグモアで聴くのは初めてかも。前回聴いたのは去年のプロムスでのイスラエルフィルとのブルッフでしたが、大混乱であまり聴けなかったし。

ギルを好きなのは、とにかく楽しそうに弾くからです。こっちまで楽しくなってしまいます。演奏しながらものすごく動く(歩く)のですが、普段コンチェルトの時はオケがいるので、横に移動するくらいですが、今回は空間広いですから、前に後ろに自由自在でしたよ(-_-;)。速いパッセージになると、どうも横というか斜め後ろを向いて弾く傾向があるみたいでした。

そんな感じでいつも楽しくなってしまうのですが、どうもちょっと今日は違いました。でも前半は楽しかったです。シューベルトのソナタは知りませんでしたが(汗)、若い時の作品でかなりシンプルな作り。ギルの演奏はまるで話をしてるかのような音楽。そして様々な音色と幅広いダイナミクスで、一見簡単そうなこの曲の魅力を十分に伝えてくれる。

シューベルトが終わって大拍手の中、爆笑だったのが、ステージから引っ込む時、通常演奏者が下がる(客席から見て)右のドアではなく、左のドアを自分で開けて入ろうとしてたことです。ギルがドアを開けると、あれ、何か違う?で聴衆はみなそっちは違うよ!って知ってるのでもう大爆笑!

そんなで雰囲気で始まった次のバッハですが、これはえらく速くてぶったまげました。私が知ってるののほぼ倍速。初めのアダージョはほぼヴィブラートもなしで透明な音、そしてフーガも速くて、まぁなんてエキサイティングなバッハ。と思ってたら、ラルゴではゆったりした歌いとめりはり。そしてアレグロ(この楽章が好きなのですが)、速いパッセージもありものすごいテクニックも見せますが、それだけでなくものすごく深い音楽、深い音とはっとするような表現力。心の深いところまで染み込んでくる。こんなバッハは初めてでした。私はすっかり引き込まれ、その音楽がいつまでも耳に残っていた。聴衆も大変気に入ったようでした。

休憩後は現代曲が2曲。1曲目はユダヤの民俗音楽を土台にした曲で、いろいろな要素が入っている。スルポンでのダブルストップから始まる神秘的な雰囲気で、最初の方はブロッホの「ニーグン」に似た感じ。独特のインターバルの和音。そして歌いあり、ダンスあり。いろいろな表情が楽しめる曲でした。サルテラートや速いパッセージなどもあるテクニカルな曲で、それも楽しめました。こういうのやっぱりうまいですね。曲の持ついろんな面を存分に引き出し、音楽の魅力が十分に伝わってくる。

次の曲も現代曲ですが、作曲者のMiloneはフィルハーモニアのヴァイオリニストでもあるそうです。ギルとウィグモアホールからの委託曲だそうです。この曲は今回一番印象に残りました。ちょっとやられました。がつーんと。最初の方は、半音での下降がまるでフォーレのSQのようで、またドビュッシーっぽくもあり、ちょっと悲しい感じでした。やがて現れるのはピアノも一緒にがんがん弾くダンスですが、曲の最後の方にはすごくきれいな旋律が登場し、それが妙に悲しく美しくて私はすっかり引き込まれ、すごく感情に訴える音楽。何だか心の奥深くに眠ってた感情が呼び覚まされるような、そんな音楽が聴こえてきた。いつも楽しいギルのヴァイオリンは、こんなに心を打つものなんだと改めて知りました。何だかとても切なくなり、涙が。。彼のヴァイオリンは、音がきれいというよりは、ものすごい表現の幅が魅力(勿論テクニックもすごいけど)。ギルの作るいろいろな色の音楽と、その中で語られるいろいろな物語に圧倒された。

カルメン幻想曲は、ギルの演奏も持ってるので私にはおなじみの曲ですが、彼の演奏をライヴで聴くのは初めてです。途中でチューニングが狂って、合間に指ではじいては直してましたが、これでまた雰囲気がなごみ、ハバネラのところではこっち(私)の方を見て弾くので、どきどきしてしまいました(^_^)。(はい、またかぶりつき席なので。)時々こういうことがあり、私がずっと彼の弾くのを見てるとこっちを見てくれる。なわけないですが、目が合うことはよくありました。そのうち、私のために弾いてくれてるんだろうと勝手に思ってました(^_^)。最後の方ではこれまたどんどん速くなり、でも決して乱れない。圧倒的な演奏。

アンコールはフォーレの「月の光」と本人が紹介してくれました。ミュートを付けた演奏で、私は上に書いたようにMiloneの曲ではフォーレを連想してたこともあり、これも心にぐっと来る演奏でした。とにかく美しく、とても言葉では言い表せない気持ちになってしまった。また例のごとく、ブログには何て書こうかなぁと考えてた訳ですが、そんな訳でいつもにも増してうまく書けてません。ほとんど放心状態。

そんな感じで今日も相変わらず動き回って弾いてましたが、ピアニストに寄ってって一緒に弾いたり、客席の方を見て弾いたり。ほんと、話をするように弾くヴァイオリンがこの人の魅力。テクニックも勿論すごいけど、この語りはちょっと他の人にはないかなぁ。今月末にLSOと2度共演があるので非常に楽しみです。楽しい演奏会になると思ってたので、まさかこんな風に聴くことになるとは思ってませんでした。やっぱりこの人のヴァイオリンは私にとっては特別です。

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Comment

 

室内楽は守備範囲外で、ウィグモアホールも実は行ったことがないので本題へのコメントではなく恐縮ですが、昨年のPROMSのイスラエルフィル、聴きに行かれたんですね。これはいろんな意味で記憶に残る演奏会でした。私のほうの感想は2011年9月1日付のブログをご参照ください。シャハムの演奏は、本当に喜びに溢れてますよね。
  • posted by Miklos 
  • URL 
  • 2012.05/07 22:01分 
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  • [Res]

 

いえいえ、コメントありがとうございます。私もROH行ったことないし!はい、Promsは勿論行きました。エントリ読ませていただきました。というか前にも拝見しておりました。あれは残念というか怒!でした。でも今月末のLSOを楽しみにしてます。それ以降は今年はUKではコンチェルトもリサイタルの予定も私が知る限りではないんですよね。今年はPromsにも出ないし。
  • posted by feliz 
  • URL 
  • 2012.05/08 12:42分 
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feliz2

Author:feliz2
Concert-goer in SE England.
2013年8月ロンドン近くのBerkshireからLancashireに引っ越しました。→2016年秋からなぜかまたBerksに。

イギリスでのクラシックコンサートの記録です。クラシック音楽が生きる糧。元学生オケのヴィオラ弾き(+ヴァイオリン)。
(コンサートの感想はあくまでも私の主観によるものです。)

*このブログに掲載されている文章・写真を無断で使用することを禁じます。

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