*クラシック*音楽生活@イギリス

主にイギリスで行ったクラシック音楽会の記録。感想付きは2012年1月~。

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Academy of St Martin in the Fields/Bell - Mozart, Bruch, Beethoven

Thu 5 April, 2012 19.30- @Cadogan Hall

Mozart Symphony No.25 in G minor K183
Bruch Violin Concerto No.1 in G minor Op.26
Beethoven Symphony No.4 in B flat Op.60

Joshua Bell: Director and Violin
Adademy of St Martin in the Fields


ジョシュア・ベルが正式にASMFの音楽監督に就任してからロンドンでの初めてコンサート。以前イッサーリスとのブラームスダブルをロンドンとブライトンで聴いたが、ブライトンの時はちょうど就任の発表があった日だったので、正式に就任してからの共演(ダイレクション)は初めてということになる。今回のUKツアーはこのロンドン公演のみ、その後すぐアメリカを回るようだ(アメリカではベトベンのコリオラン序曲、コンチェルト、7番もやるようだ。この3曲は、2007年にすでにASMFと指揮/ヴァイオリンで共演している模様。)

ほぼ満席という話だったが、私の周りはかなりの空席があり、私の席の前の列はほとんど空いていた。ジョシュが出るせいかお客さんには日本人の方(女性)が多く、全体の年齢層もかなり低い感じ。

ラジオ中継のために、演奏前にBBC Radio3のプレゼンターPetroc TrelawnyがASMFのCEOの女性と一緒に登場、今回のコンサートの説明をしていた。ロンドンでは初めてのコンサートであること、今後のジョシュア・ベルは指揮に専念するのか?という話など。今後ベトベンサイクルをやる予定で、4番、7番の録音が5月に発売されるとのこと。

上に書いたように、以前にもダイレクションはやっているのだが、今日初めて聴く(観る)人はびっくりしただろう。なんせ、それこそ椅子から落っこちそうなくらい、腰を浮かせたり、動きが回りと比べてもひときわ激しいので。リーダーの席からのダイレクション(指揮)といっても、弾きながら体でのダイレクションといった感じで、普段の立って弾くコンチェルトでもかなり体を動かすのだが、座って弾いてもソロをやってるときのそのままの動きなので、気になってしかたがない。ただ、オケは前回の「イタリア」でもかなりぴったり合ってた(特に4楽章はあの速さで合ってるのには驚いた)ので、まぁ問題ないだろうと思っていた。

モーツァルトは最初かなりのずれが感じられた。結局は、前に立って指揮をしてるわけではないので、それでいてどういう音楽作りをしているのか興味があるところ。勿論指揮をしてるわけではないので観ている側としてはわかりにくい。自分が休みの時には弓で指揮のようなことをしているが、それも何だか拍を取っているだけのような感じでどうも気になる。なぜか4楽章の方が緩徐楽章より合っていた。勿論速い曲なのだが、1楽章、2楽章はどうも急いでる気がしてしかたがなかった。(明らかにジョシュがオケの先を行っている感じ。)あとやはり細かいところがオケ任せな感じで一貫性が感じられなかったり。あとバランスがどうなのかな。モーツァルトでは低音があまり聴こえなかった。(そんなしてジョシュの方ばかり見てたせいかも。)それから、そんなしてソリスティックに弾いても、周りの誰もがジョシュと同じように弾くかというとそういうわけでもないし、そのせいもあってずれが感じられたのか。ただそんなわけで、4楽章では合ってたので全体としての印象は悪くなかった。
(映画「アマデウス」でおなじみのこの曲だが、この映画のサウンドトラックはまさにASMF/マリナーの演奏だった。)

ジョシュのソリストとしての弾き振りというのは、ずっと前の来日時のオルフェウス室内管とのベトベンをビデオで観たことがある。この時は特に今日のような指揮をしている気もしなかったのだが、今日は完全に、自分のソロ以外の時は後ろを向いてダイレクションをしている。Gでソロが始まると、以前テレビで観た2006年のプロムスのブルッフよりも随分ゆったりしてるような気がした。それは、自分が指揮者でもあるからと意識してなのか?曲中のソロも、その時に速く弾いてた箇所もゆったり弾いてた(昔のもそれはそれで悪くなかったが)。ただ今日も、1楽章前半の半音階のところでは速くなっていたが。

もう何度も聴いてる曲なので、こういう曲は心ではなく頭で聴いている。でも今日はダイレクションもやってるので、ソロのこととオケの指揮と、と両方考えながら弾くのは難しい(無理?)なんて考えていた。ただ音楽が始まると、私の頭にはこの人たちが作る音楽だけが伝わってきた。私はよく、よく知ってる曲を聴いてると、以前の感情やら出来事やらが頭に浮かんで感情的になってしまうことが多いのだが、今回はそうではなかった。何も考えられなかった。ただそこには音楽だけがあった。この前のブラームスとは全く違う印象だった。ただ、弾かない時には後ろを向いて指揮するので、やっぱりそういうことも考えながら弾いてるんだろうな、と感じたソロの箇所もあった。

Josh & ASMF

ベートーヴェンは、出だしが合わなかったり、2楽章は(私には)速すぎるかなと思ったりしたものの、全体のダイナミクスと表現はさすが。途中びっくりするようなリタルダンドもあったけど、各楽器のソロも素晴らしいし。4楽章はちょっとティンパニが大きすぎたかも。小さい、古いタイプのティンパニで(呼び方がわからない-_-;)、よくベートーヴェンなどで使われるもの。後は低音も出てたし、全体としては引き締まっていた。ベートーヴェンは、いろんな人が素晴らしい録音を残しているので、なかなか客観的に聴くのは難しいものだ。

多分彼が出演する時には、こういう形で、コンチェルトを挟み前後は指揮をするということになるのだろう。まぁマリナーも最初は同じような形で指揮をしていたようだし。(ジョシュが指揮者になるとは思えないけど。)今後どういう形で音楽作りをしていくのか、指揮者というのはやはりソリストとは違うので、その間をどう埋めるのか、興味あるところである。ただ、このせいで来年ロンドンのオケとはコンチェルトをしないのかとか、その他の場所でもゲストソリストとしてのコンチェルトの機会が減るのでは、と少々心配している。

一見シンプルに見えて、かなりチャレンジングなプログラムだったと思う。音楽監督として初めてのプロジェクトがベトベンかぁ。とりあえず今回のコンサートは成功だったのだろう。ただ私としては、まだ慣れていないせいか、彼のダイレクションに関しては中途半端な印象が残ってしまった。(特にブルッフ。)なので今日は何だか醒めた目で見てしまった。レベルの高いチェンバーオケなので、指揮者がいなくてもお互いに聴き合ってあわせるのも慣れているのだろう。そのアンサンブルとコミュニケーションはさすがだと思った。ゆっくりなところより、合わせるのが難しそうなシンコペーションがぴたっと合ってるのはさすがというか不思議だ。

今後こういう形でのダイレクションを続けて行くのだろうが、いい方向にこの伝統あるオケをリードしていってくれるのを期待する。まだ始まったばかりだから、どういう風に持って行くのか楽しみではある。いずれにしてもとてもチャレンジングな役割だ。音楽の活動の幅を広げて行くのは素晴らしいことだと思うが、でも彼のヴァイオリンのファンとしては、やっぱりソロが聴きたーいと思ったりするので複雑ではある。

Comment

 

興味深いレポートを有り難うございました。

2010年にVerbierでベトコンを振り弾きした際も、同様な印象を受けました。ASMFのような伝統あるオケの指揮は、チャレンジングでもあるし、やりがいもあることと思いますが、やはり、ソロが聴きたいというのが、ファンとしての正直な気持ちです。

この11月に、ある日本のマネージメントオフィスが彼をあるオケのソリストとして招聘する計画で、ずっと交渉を続けていたのですが、3月になって、来日はキャンセルという結果に終わりました。原因はよく分かりませんが、彼がASMFの指揮をするために、他のオケのソリストして来日するのを躊躇したということも大いに考えられますね。

まあ、もしJosh側がASMFと一緒の来日を希望しているとしたら、日本側はそんな財力はないというのも、理由として考えられますが。もう7年も来日していないので、これからどうなるのだろうかと心配です。



  • posted by TeruTeru 
  • URL 
  • 2012.04/19 07:34分 
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teruteru様
ご訪問ありがとうございます。何だか少しネガティブな感想になってしまいましたが、やはり音楽活動の幅が広がるというのは本人にとっては素晴らしいことだと今は思ってます。勿論オケの力もあるのでしょうが、ベートーベンも評判がいいようなので、これからの指揮活動が注目されますね。

来日中止はほんとに残念です。沢山のファンが待っているというのに。。
  • posted by feliz 
  • URL 
  • 2012.04/20 15:27分 
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プロフィール

feliz2

Author:feliz2
Concert-goer in SE England.
2013年8月ロンドン近くのBerkshireからLancashireに引っ越しました。→2016年秋からなぜかまたBerksに。

イギリスでのクラシックコンサートの記録です。クラシック音楽が生きる糧。元学生オケのヴィオラ弾き(+ヴァイオリン)。
(コンサートの感想はあくまでも私の主観によるものです。)

*このブログに掲載されている文章・写真を無断で使用することを禁じます。

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