*クラシック*音楽生活@イギリス

主にイギリスで行ったクラシック音楽会の記録。感想付きは2012年1月~。

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St Petersburg Phil/Vengerov/Temirkanov - Prokofiev, Shostakovich

Sat 24 March 2012 19:30 @Barbican Hall

Prokofiev Violin Concerto No 1
Shostakovich Symphony No 7 ‘Leningrad’

St Petersburg Philharmonic Orchestra
Yuri Temirkanov conductor
Maxim Vengerov violin


さぁさぁ、ヴェンゲーロフのロンドン復帰公演ですよーみなさん。
このコンサートでは、元々アルゲリッチがプロコフィエフ3番を弾く予定でしたが、1ヶ月ほど前にキャンセル。バービカンから連絡をもらった時は、ふーんやっぱり(キャンセルの予測はしてたので。。)、で代わりのピアニスト誰?と見たら、何とまぁ!ということでその日は朝から大騒ぎでしたよ。行く予定にしてたヴェンゲーロフのファンの友人にとっては「たなぼた」だったようだけど、実は私にとってのメインはレニングラードの方で。。(ヴェンゲーロフもすごく好きなんだけど!)
昨年ヨーロッパの他国では弾いてたようですが、イギリスでは演奏してなかったので、これが5年ぶり(?)のイギリスでの演奏ということになります。本当は4月のウィグモアホールでのリサイタルで復帰の予定でしたが、思わずこっちを先に聴けることになっちゃいましたね。それに4月のリサイタルは一般発売前から売り切れだし。ということで、イギリスでの久々の演奏を一足先に聴けるなんて何てラッキー。

アルゲリッチがキャンセルしたとたん、完売だったチケットにどんどんリターンが出て、私は手持ちのチケットと同じ値段の前の方の席に代えました(元々はサークルでした)。おかげでよくヴェンゲーロフの音はよく聴こえました。日本人の方が多かったです。私のブログのお友達はみな来てるんじゃないかと思ったり(つるびねったさんは来てなかったみたいだけど)。

コンサート前にはBBC Radio3のプレゼンターによる、「レニングラード」についてのトークがありそれも聞いてきました。私は来年のバービカンのチケットをたくさん取ったので、3ヶ月お試し無料体験でバービカンの「レッドメンバー」になってます(本当は年間100ポンドもするので、3ヵ月後も更新はしませんが-_-;)。このトークはメンバー限定イベントということで行ってきました。内容は予想通り、作品の作られた当時や初演の背景についての話が主でしたが、勉強になったのは作品の部分についての話があったことでした。具体的には、終わりはC majorで勝利で終わるように思えるが、最後の方には、4楽章の最初にチェロバスで演奏される付点の旋律(G-A♭,G-B♭,G-E♭-D♭..)は、この勝利のテーマの後にも金管によって提示され、これはC minorであり、このテーマも実はまだ解決されてはいないのだ、とか、ムソルグスキーのオペラに影響された部分がある、ということを音楽をかけながら解説してくれました。

また、この前日にBBC4で放送されていた「Symphony」という番組では、ちょうどこの作品についても触れており(ショスタコーヴィチはその番組の中に登場した作曲家の1人でした。他にはV.ウィリアムスやシベリウスやコープランドなど)、その中で、ファゴットという楽器について、「皮肉も哀愁もおどけも表現できる楽器。こんな楽器は他にない。」という話があり(多分ショスタコーヴィチのこの作品についての話の中だったと思いますが)、おぉ、じゃあ今日はFgに注目して聴いてみよう、と思っていたのでした。

思えば、1曲目のプロコフィエフの協奏曲でも出てきます。3楽章の冒頭、ユーモラスなテーマをFgが提示します。ピチカートの中で出てくる、何となく滑稽なテーマですが、聴いてるとこのテーマは低音で最後の方に何度も再現されていました。
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配置は、1stと2nd vlnが向かい合わせ、中は左からチェロ、ヴィオラでした。コントラバスが左手にいました。私は前方左手に座ってたせいか、ベースの音がよく聴こえました。この曲はトロンボーンはお休みですね。

ほんと久しぶりのヴェンゲーロフは相変わらずで、復活してくれたことが嬉しかった。でもその分、ものすごいプレッシャーだったんだろうなと想像します。私にとってのメインは実はレニングラードだったので、普段ヴァイオリン中心に聴いてる私でも、この日はプロコフィエフ聴くのにそれほど力は入ってませんでした。というのも、ヴェンゲーロフの実力は、今でもこの人より上手なヴァイオリニストはほとんどいないだろうと思ってるくらい私は評価してるので、弾けて当然みたいに思ってたところがありました。なのでリラックスしてオケ伴奏も聴くことができたのだと思います。あと、この曲は技巧的な曲なので、聴いて感動するタイプの曲ではないし、1楽章と3楽章の終わりの方はほとんどトリルと音階しか出てこないので(練習曲のよう)、そのバックで演奏しているオケを聴いた方がいいと思ってたこともあります。

ヴィオラのトレモロの中始まった音は、あぁ、この音だ~。ヴェンゲーロフだよーと思い出させる音。期待通りさすがでした。1、3楽章の歌いもよかったし、1楽章のSul Gの箇所とか、sul ponticelloの箇所とか、メリハリのある演奏。多少のミスもあり、完璧とまでは行かず全力は出し切ってない印象でしたが、十分聴き応えのある演奏。そして鳴り止まない拍手。

ヴェンゲーロフのアンコールはバッハのパルティータ2番からサラバンドでした。これからロンドンでもリサイタルや協奏曲が聴けるので楽しみです。ヴェンゲーロフも嬉しそうでした。

例のFgですが、いやーびっくりしました。木管の中でひときわ上手かったです。オーボエはロシアのオケ特有の音で明るかったですが、悪くはなかったです。

ヴェンゲーロフもですが、テミルカーノフの指揮もすごかったです。彼は指揮棒を使わないようですが、その手の動きのバリエーションの豊富さ。例の3楽章のFgのテーマでは、右手の手の平をひらひらさせて指揮するので笑いが出てしまいました。2楽章はえらく速かったように思います。
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休憩後はいよいよレニングラードです。この曲は1月にRLPO/ペトレンコで聴きました。この時のテンポはものすごく遅く、1.5時間くらいかかってました。テミルカーノフは、バービカンのサイトにサンプルが載っており聴いたのですが、わりと速いテンポを予測してました。

金管群の並びに注目してましたが(そのBBC4の番組でのBBCSO/エルダーでは、指揮者の後ろに第2群が。。)、金管は多分横一列の配置でした。多分というのは、私の席(ストール前方)からはよく見えなかったからです。2nd vlnとヴィオラの後ろにトロンボーンとチューバが並んでたのでそうかなと。

出だしのテンポは標準というか、パパヤルヴィとバーンスタインの中間くらい。1楽章はものすごい緊張感でした。勿論そういう楽章なんですが、あの、ドラムが入ってきてからの長いクレッシェンドに息が詰まるほど。最初に入ってくるvlnの音の小さいこと。でクライマックスは爆音でした^^。パーカッションもすごかった。その後のFgのソロの美しいこと。その前のvlnソロの部分は随分ゆっくりでした。

2楽章はわりと速かったです。それが、通常ならだんだん速くすると思われる箇所を段々遅くしてるような気がして、次のフレーズに入ったら急に速くしたり。何だかそういうのが数箇所ありびっくりしました。バスクラのソロもよく鳴ってました。

3楽章、冒頭のクラはなぜか他の楽器に埋もれてましたが。。その後のバイオリンの響き。テンポが遅くなるところがあり、途中ちょっとだれて長く感じました(というか1楽章がすごい緊張感だったので私が疲れただけなのかもしれないけど)。4楽章も1楽章以上の爆音でした。最後の方で、金管による勝利のテーマが出てくるところが好きなんですが、同時に、その辺に来るともう終わりかぁとちょっと悲しくなります。いやぁそれにしてもこれがロシアのオケかぁー。

スタンディングオヴェーションを受け、アンコールはエルガーのエニグマからニムロッドでした。レニングラードの後でこの曲とは大サービスですが、私は、このオケがアンコールでこの曲をやったとどっかで読んでたので、もしかして今日もやってくれるかなと思ってました。知らないうちにすーっとvlnが入って始まってた。そして最後は消え入るように。これも心にしみる演奏でした。

テミルカーノフの指揮は、表現的にはわかりやすいようでも弾く側としてはひらひらと打点がはっきりしないので、全体を通してオケがずれてる箇所が何箇所かありました。。

全体的には、弦はぴしっと揃ってまるで日本のオケのよう(そういえばみなさんあまり動かないですね。それも日本のオケのよう?)。それぞれの楽器の音の輪郭がはっきりしており、立体的な響き。ヴィオラは中に入ってしまってるのにものすごく響いてたし(人数が多いせいもあるでしょうが)、コントラバスはプロコフィエフでは4人しかいないのにものすごい音。それに木管低音もよく鳴ってました。そして弱音が美しく、本当にそーっと入ってくる、そして氷が溶けてなくなるように消え入る弦楽器の妙。いやいや、恐れ入りました。このオケとテミルカーノフでレニングラードが聴けて大満足でした。

Temirkanov & Brass
トロンボーン&チューバのみなさん

今回のUKツアーでの「レニングラード」はこのロンドン公演だけのようで、今後のイギリス公演は(私が翌日行った)このプログラムで回るようです(バーミンガムのみソリストがトルプチェスキでラフマニノフ2番)。バーミンガムシンフォニーホールやブリッジウォーターホールといった大きなホールでレニングラードやったら素晴らしいだろうに、ロンドンだけなんてもったいない、と思ったりもするのですが。それにマンチェスターなんて、コンサート前に「レニングラード」についてのレクチャーまであるのに、実際のプログラムは5番。ま、そんなしょっちゅうやってたら身が持ちませんか。。

同じコンサートに行ったMiklosさんのご感想はこちら

Comment

 

遅いコメントですいません。お写真を拝見するに、その辺りの席には元voyage2artさん(現fotolondonさん)も座ってらっしゃったような…。

「レニングラード」は不必要に長く感じるのであまり好きな曲ではないんですが、この演奏は眠くなることなく最後まで聴き通せました。復帰したヴェンゲーロフともども、たいへん良い演奏でしたね。「ニムロッド」も粋な計らいでした。
  • posted by Miklos 
  • URL 
  • 2012.03/30 00:06分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

こちらにもコメントありがとうございます。voyage2artさんのブログはよく読ませていただいてました。そうですか~。私はストール前から真ん中辺りの左端でした。そんなにステージに近い席ではなかったのですが、ヴェンゲーロフもよく聴こえました。

何だかレニングラードは最近聴く機会が多くて、次回はロシアンナショナル+LPOで10月のに行く予定です。ヴェンゲーロフの今後の公演も楽しみです。
  • posted by feliz2 
  • URL 
  • 2012.03/30 10:54分 
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プロフィール

feliz2

Author:feliz2
Concert-goer in SE England.
2013年8月ロンドン近くのBerkshireからLancashireに引っ越しました。→2016年秋からなぜかまたBerksに。

イギリスでのクラシックコンサートの記録です。クラシック音楽が生きる糧。元学生オケのヴィオラ弾き(+ヴァイオリン)。
(コンサートの感想はあくまでも私の主観によるものです。)

*このブログに掲載されている文章・写真を無断で使用することを禁じます。

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